製品・サービス集合住宅防災システム

集合住宅防災システム

共同住宅の消防設備について一通り知りたい方へ

集合住宅防災システム

お役立ちコンテンツ

集合住宅防災システム

お問い合わせ・資料請求

法律編 消防予第188号

特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令等の運用について

消防予第188号
平成17年8月12日

特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令等の公布については平成17年3月25日付け消防予第66号をもって示したところですが、今般その運用を下記のとおり定めましたので、貴職におかれましては、下記事項に留意の上、その運用に十分配慮されるとともに、各都道府県消防防災主管部長におかれましては、貴都道府県内の市町村に対し、この旨周知されるようお願いします。

第1 特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成17年総務省令第40号。以下「省令」という。)について

特定共同住宅等について
省令第2条第1号の特定共同住宅等は、消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)
別表第一(16)項に掲げる防火対象物で、令第8条の規定により他の用途に供される部分と区画された令別表第一(5)項ロに掲げる防火対象物も含まれるものであること。
メゾネット型の住戸等の取扱いについて
メゾネット型の住戸等(一の住戸等の階数が二以上であるものをいう。)の階の算定にあっては、当該住戸等を一の階と扱うものではなく、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第2条第1項第8号の規定によるものであること。
直接外気に開放されていない共用部分について
省令第3条第2項第3号ニ(ハ)の「直接外気に開放されていない共用部分」とは、常時外気に面する部分から概ね5メートル以上離れた部分を含むものであること。
独立した用途に供される部分の取扱いについて
「令別表第一に掲げる防火対象物の取扱いについて」(昭和50年4月15日付け消防予第41号、消防安第41号)記1(2)の「独立した用途に供される部分」に該当する部分については、住戸とみなして省令を適用しても差し支えないものであること。この場合において、当該部分は、床面積150平方メートル以内ごとに防火区画されていること。

第2 特定共同住宅等の位置、構造及び設備を定める件(平成17年消防庁告示第2号。以下「位置・構造告示」という。)について

光庭について
位置・構造告示第2第6号の光庭は、「その周囲を特定共同住宅等の壁その他これに類するものにより囲まれ」ていることを要件としているが、その周囲の一部分が部分的に開放されていても、同程度の閉鎖性を有すると認められる場合にあっては、光庭として扱うものとすること。
特定共同住宅等の住戸等の区画について
位置・構造告示第3第3号の「特定共同住宅等の住戸等は、開口部のない耐火構造の床又は壁で区画すること。」とは、住戸等と住戸等の間を耐火構造の床又は壁により、また住戸等と共用部分の間を耐火構造の床又は壁(位置・構造告示第3第3号(3)の規定に適合する開口部を含む。)により防火区画することをいうものであり、堅牢かつ容易に変更できない構造を有することが必要であること。
住戸等への延焼防止措置について
位置・構造告示第3第3号(2)ロの「住戸等で発生した火災により、当該住戸等から当該住戸等及びそれに接する他の住戸等の外壁に面する開口部を介して他の住戸等へ延焼しないよう措置されたものであること。」として、住戸等と区画を介して隣接する他の住戸等の開口部が次に定める基準に適合しているものをいうことができるものであること。

(1)
火災住戸等の開口部の最大幅から上方の左右の壁面方向に15度開いた範囲外に存する他の住戸等の開口部には、防火設備を設けないことが できること。この場合において、火災住戸等の開口部が、四角形以外の形状(以下「円等」という。)の場合は、当該円等が内接する長方形を当該住戸等の開口部とみなすものであること。
(2)
火災住戸等の開口部の最大幅から上方の左右の壁面方向に15度開いた範囲内に存する他の住戸等の開口部のうち、開口部相互間の垂直距離 が3.6メートル以下の範囲(火災住戸等の開口部の上部0.9メートルの範囲を除く。以下「開口部破損検証範囲」という。)については、上下の開口部間の垂直距離Zが、次の①から⑥までの手順により求めた限界垂直距離Zlim小さい場合に、当該他の住戸等の開口部(図1中の開口部1をい う。)に防火設備を設けること。ただし、当該他の住戸等の開口部が換気口等であり、かつ、防火設備が設けられた直径0.15メートル以下のもの又 は開口部の面積が0.01平方メートル以下のものにあっては、この限りでない。
開口部破損検証範囲にある他の住戸等の開口部の材料の許容温度と周囲の温度との差を次式により求めること。
・・・・・式(1)
ΔTは、他の住戸等の開口部の材料の許容温度と周囲の温度との差
(単位ケルビン。以下3において同じ。)
Tlimは、他の住戸等の開口部の材料に応じて、次の表により求められる許容温度(単位ケルビン。以下同じ。)
開口部の材料 許容温度
フロートガラス 373ケルビン
フロートガラス(飛散防止フィルム付) 423ケルビン
線入りガラス 673ケルビン
※開口部の材料として上記以外のガラスを用いる場合の許容温度については、試験データ等により判断すること。
火災住戸等の一の開口部から噴出する熱気流の等価半径(当該開口部から噴出する熱気流が影響する一定以上の範囲を円状にみなした場合の半径。以下同じ。)を次式により求めること。
・・・・・式(2)
r0 は、火災住戸等の一の開口部から噴出する熱気流の等価半径(単位メートル。以下同じ。)
A は、火災住戸等の一の開口部の面積(開口部がサッシ等により連結している場合は、当該開口部を一の開口部として取り扱う。単位 平方メートル。以下同じ。)
π は、円周率
火災住戸等の一の開口部から噴出する熱気流の発熱速度を次式により求めること。
・・・・・式(3)
Qは、火災住戸等の一の開口部から噴出する熱気流の発熱速度(単位キロワット。以下同じ。)
H は、火災住戸等の一の開口部の高さ(火災住戸等の開口部が円等の場合は、当該円等の最高の高さ。単位 メートル。以下同じ。)
火災住戸等の一の開口部から噴出する熱気流軸上における部材許容温度を無次元化した値Θ を次式により求めること。
・・・・・式(4)
開口部の材料の許容温度となる噴出気流の垂直距離Zt をΘ の値に従い、次のア又はイの式により求めること。
ア ④により求められるΘ の値が0.35以下の場合
・・・・・式(5)
Zt は、開口部の材料の許容温度となる噴出気流の垂直距離(単位 メートル。以下同じ。)
イ ④により求められるΘ の値が0.35より大きい場合
・・・・・式(6)
限界垂直距離Zlimは、⑤で求めた開口部の材料の許容温度となる噴出気流の垂直距離Zt と次式で求めた火災住戸等の開口部上端からの火炎高さZLmのいずれか大きい方とし、火災住戸等の開口部と他の住戸等の開口部との垂直距離がZlimより大きい場合、当該他の住戸等の開口部に防火設備を設ける必要はないこと。
・・・・・式(7)
開放性のある共用部分以外の共用部分について
位置・構造告示第3第3号(3)イ(ハ)の「開放性のある共用部分以外の共用部分」とは、換気口等を設ける部分が、直接外気に開放されていない共用部分をいうものであること。
特定光庭の基準等について
位置・構造告示第4第1号(1)の「火災住戸等以外の住戸等の光庭に面する開口部が受ける熱量」及び同号(2)イの「避難光庭に面する廊下及び階段室等を経由して避難する者が受ける熱量」は、次の(1)から(5)までの手順により求めること。
(1)
火災住戸等の光庭に面するすべての開口部(換気口その他これらに類するものを除く。)を合成して一の開口部とみなし、当該合成した開口部を「等価開口部」というものであること。この場合において、「等価開口部の高さ」は一の住戸等の光庭に面するすべての開口部のうち最大の高さ、「等価開口部の面積」は一の住戸等の光庭に面するすべての開口部の合計面積、「等価開口部の幅」は「等価開口部の面積」を「等価開口部の高さ」で除した値をいうものであること。ただし、火災住戸等の光庭に面する開口部が複数の面に設けられている場合は、同一面に設けられる開口部ごとに等価開口部を設定し、(2)から(5)までの手順により受熱量を求め合計すること。
適用例を図2に示す。

(2)
等価開口部から噴出する熱気流(火炎を含む。以下同じ。)の高さを次式により求めること。
・・・・・式(8)
Lは、等価開口部から噴出する熱気流の高さ(単位 メートル。以下5において同じ。)
HXは、等価開口部の高さ(単位 メートル)
(3)
等価開口部から噴出する熱気流の面積を次式により求めること。
・・・・・式(9)
S は、等価開口部から噴出する熱気流の面積(単位 平方メートル。以下同じ。)
W は、等価開口部の幅(単位 メートル)
(4)
受熱面に対する等価開口部から噴出する熱気流の面の形態係数を次式により求めること。(図3参照)
・・・・・式(10)
F は、受熱面に対する等価開口部から噴出する熱気流の面の形態係数。
( F が1を超える場合にあってはF =1とする。以下同じ。)
β1及びβ2は、受熱面及び等価開口部から噴出する熱気流の面から垂直に延びる線と受熱面の中心点と等価開口部から噴出する熱気流の面の中心点を結んだ線のなす角度(単位 ラジアン)
π は、円周率
d は、受熱面と等価開口部から噴出する熱気流の面の最短距離(単位 メートル)その適用例を図4及び図5に示す。

光庭を挟んで「等価開口部から噴出する熱気流の面」と「受熱面」が正対する場合、
β1及びβ2は0ラジアンとなり、F = S /π d2(ただし、F ≦1)となる。 ・・・・・式(11)

「等価開口部から噴出する熱気流の面」と「受熱面」が光庭において直交し、二面が交わった地点から「等価開口部から噴出する熱気流の面」及び「受熱面」が等距離にある場合β1及びβ2はπ/4ラジアンとなり、F =S / 2π d2(ただし、F ≦1)となる。 ・・・・・式(12)
(5)
等価開口部から噴出する熱気流の輻射熱により評価対象住戸等の開口部又は避難光庭に面する廊下及び階段室等を経由して避難する者が受ける受熱量を次式により求めること。
・・・・・式(13)
q は、等価開口部から噴出する熱気流の輻射熱により評価対象住戸等の開口部又は避難光庭に面する廊下及び階段室等を経由して避難する者が受ける受熱量(単位 キロワット毎平方メートル)
避難光庭の高さについて
位置・構造告示第4第1号(2)ロ(イ)の避難光庭の高さは、図6の例により、計測すること。

避難光庭の幅について
位置・構造告示第4第1号(2)ロ(イ)の「避難光庭の幅」は、図7の例により、計測すること。
なお、避難光庭の高さを当該避難光庭の幅で除した値が2.5未満であれば、火災住戸等の開口部から噴出する高温の熱気流が対向壁面にぶつからずに上昇し、避難光庭に滞留せずに外部に排出されるため、同号(2)ロ(ロ)に規定する煙に対する安全性の検証を要しないとしたものである。したがって、避難光庭の幅は、火災住戸等の開口部の面に対して垂直方向(対向壁面の方向)で計測する必要があること。

避難光庭における煙層の上昇温度について
位置・構造告示第4第1号(2)ロ(ロ)の「火災住戸等のすべての開口部から噴出する煙層の温度」については、次の(1)から(3)までの手順により求めること。
(1)
等価開口部から噴出する熱気流の発熱速度を次式により求めること。
・・・・・式(14)
QXは、等価開口部から噴出する熱気流の発熱速度(単位 キロワット。以下同じ。)
AXは、等価開口部の面積(単位 平方メートル)
(2)
避難光庭の底部に設けられる常時開放された開口部の給気開口率(避難光庭の底部の開口部と頂部の開口部の比をいう。以下同じ。)を次式により求めること。
・・・・・式(15)
rは、避難光庭の底部に設けられる常時開放された開口部の給気開口率(単位 パーセント)
Saは、避難光庭の底部に設けられる常時開放された開口部の面積(単位 平方メートル)
Stは、避難光庭の頂部に設けられる常時開放された開口部の面積(単位 平方メートル)
(3)
避難光庭における火災住戸等のすべての開口部から噴出する煙層の上昇温度を次式により求めること。
・・・・・式(16)
ΔTは、避難光庭における火災住戸等のすべての開口部から噴出する煙層の上昇温度(単位 ケルビン)
αは、次式により求められる値
・・・・・式(17)
Dは、避難光庭の幅(単位 メートル)
異なる住戸等間の水平距離について
位置・構造告示第4第2号(2)ロの「異なる住戸等の開口部の相互間の水平距離」は、図8の例により、計測すること。

10
異なる住戸等間の垂直距離について
位置・構造告示第4第2号(2)ハの「異なる住戸等の開口部の相互間の垂直距離」は、図9及び図10の例により、計測すること。

11
特定光庭に該当しない光庭について
図11及び図12に示す開放性を有する廊下又は階段室等に面する吹抜きにあっては、特定光庭には該当しないものであること。この場合において、開放性を有する廊下の手すり等の上端から小梁、たれ壁等の下端までの高さは1メートル以上必要であること。

12
特定光庭に面して給湯湯沸設備等を設ける場合の措置について
位置・構造告示第4第2号(3)ロの「防火上有効な措置」とは、次の(1)及び(2)の措置をいうものであること。
(1)
給湯湯沸設備等は、次に定める基準に適合していること。
ガスの消費量が、70キロワット以下であること。
一の住戸の用に供するものであること。
密閉式(直接屋外から空気を取り入れ、かつ、廃ガスその他の生成物を直接屋外に排出する燃焼方式及びその他室内の空気を汚染するおそれがない燃焼方式をいう。)で、バーナーが隠ぺいされていること。
圧力調節器により、バーナーのガス圧が一定であること。
過度に温度が上昇した場合において、自動的に燃焼を停止できる装置及び炎が立消えした場合等において安全を確保できる装置が設けられていること。
(2)
給湯湯沸設備等は、次に定める方法により設置すること。
特定光庭から住戸等又は共用部分へ貫通する給湯湯沸設備等の配管は、当該配管と当該配管を貫通させるために設ける開口部とのすき間を不燃材料(建築基準法第2条第9号に規定する不燃材料をいう。)で埋めること。
①の配管は、金属又はこれと同等以上の強度、耐食性及び耐熱性を有するものであること。

第3 特定共同住宅等の構造類型を定める件
(平成17年消防庁告示第3号。以下「構造類型告示」という。)について

二方向避難型特定共同住宅等について
(1)
避難上有効なバルコニーについて
構造類型告示第3第1号の「避難上有効なバルコニー」とは、次の①から③に定める基準に適合しているものであること。
直接外気に開放されていること。
避難上支障のない幅員及び転落防止上有効な高さの手すり等を有していること。
なお、車いす利用者等の避難を考慮した場合に、80センチメートルから90センチメートル程度の幅員を有していることが望ましいものであること。
他の住戸等の避難上有効なバルコニー又は階段室等に接続していること。
(2)
廊下型特定共同住宅等の階段室等の位置について
構造類型告示第3第2号(1)の「階段室等は廊下の端部又は廊下の端部に接する住戸等の主たる出入口に面している」とは、階段室等が廊下の端部 に面して設けられていることをいうほか、図13の例に示すように、階段室等が廊下の端部に接する住戸等(ここでは住戸Aを指す。)の主たる出入口に面していることを指すものであること。これは、廊下の端部に接する住戸等に隣接する住戸等(ここでは住戸Bを指す。)が火災になっても、住戸Aの居住者が階段Aを使って避難できるようにするため、Wは廊下の端部に接する住戸等(ここでは住戸Aを指す。)の幅以下とするものであること。

(3)
避難経路のうち住戸等における火災時に利用できない部分について
構造類型告示第3第2号(5)の「避難経路」として、次の①から⑤に定める部分は、利用できないものであること。
なお、適用例を図14から図16までに示す。
火災住戸等
構造類型告示第4第2号(1)、(2)及び(4)に示す開放型の廊下の判断基準に適合する廊下にあっては、火災住戸等の主たる出入口が面する火災住戸等の幅員に相当する部分
構造類型告示第4第2号(1)、(2)及び(4)に示す開放型の廊下の判断基準に適合しない廊下にあっては、階段室等の出入口から一の住戸等の幅員に相当する部分以外の部分
階段室型の特定共同住宅等に存する火災住戸等の主たる出入口が面する階段室等
火災住戸等のバルコニー

※ 網掛けの部分は「避難経路として利用できない部分」をいう。(図15及び図16において同じ。)

開放型特定共同住宅等について
(1)
他の建築物等の外壁等について
構造類型告示第4第2号(1)の規定により、すべての廊下及び階段室等は「他の建築物等の外壁」との中心線から1メートル以上離れていることが必要とされているが、同一の特定共同住宅等であっても、廊下及び階段室等に面して当該特定共同住宅等の外壁、駐車場の外壁、擁壁等がある場合は、「他 の建築物等の外壁」に準じて取り扱うものであること。適用例を図17に示す。
なお、特定共同住宅等の同一の階に存する廊下又は階段室等のうちの一部が、隣地境界線又は他の建築物等の外壁との中心線から1メートル未満であるときの取扱いは次のとおりとすること。適用例を図18に示す。
隣地境界線又は他の建築物等の外壁との中心線から1メートル未満である部分が廊下端部を含む場合で、当該部分を構造類型告示第4第2号(4) ロの「外気に面しない部分」とみなしたとき、当該規定を満たせば当該部分は隣地境界線又は他の建築物等の外壁との中心線から1メートル未満の位置にないものとして取り扱って差し支えないものであること。
隣地境界線又は他の建築物等の外壁との中心線から1メートル未満である部分が廊下端部を含まない場合で当該部分を構造類型告示第4第2号(4)イ(イ)dの「風雨等を遮るために設ける壁等」とみなすか、(5)に定める手順によって、非開放部分を含む廊下全体を同号(4)イ(ロ)の「消火、避難その他の消防の活動に支障になる高さ(床面からの高さ1.8メートルをいう。)まで煙が降下しないこと」を確認した場合は、当該部分は隣地境界線又は他の建築物等の外壁の中心線から1メートル未満の位置にないものとして取り扱って差し支えないものであること。

(2)
直接外気に開放されていない廊下又は階段室等の取扱いについて
①廊下型特定共同住宅等
住戸又は共用室の主たる出入口が面する廊下の一部又は全部に周囲の4面が壁等により囲まれている部分が存する特定共同住宅等は、開放型特定共同住宅等には該当しないものであること。適用例を図19に示す。

②階段室型特定共同住宅等
住戸又は共用室の主たる出入口が面する階段室の一部又は全部に周囲の4面が壁等により囲まれている部分が存する特定共同住宅等は、開放型特定共同住宅等には該当しないものであること。適用例を図20に示す。

(3)
開放型廊下の判断基準について
構造類型告示第4第2号(4)イ(イ)の開放型廊下の判断基準の適用については、図21の例によること。
なお、同号(4)イ(イ)aの「廊下の端部に接する垂直面の面積」とは、廊下の両端部の外気に面する部分の面積をいうものであること。また、同号(4)イ(イ)cの「手すり等」には、さく、金網等の開放性のあるものは含まないものであること。

(4)
開放型特定共同住宅等の廊下における外気に面しない部分について
構造類型告示第4第2号(4)ロの「外気に面しない部分」とは、特定共同住宅等の同一の階に存する廊下又は階段室等の一部が、隣地境界線又は他の 建築物等の外壁との中心線から1メートル以下の位置にあるもののほか、図22及び図23によること。

aが閉鎖されている場合は網掛けの部分が外気に面しない部分に該当する。
ここで、
W は、外気に面しない部分の幅員(図23において同じ。)
B は、外気に面しない部分の長さ(図23において同じ。)
また、a に存する開口部が次の①から③に定める基準のいずれかに適合するときは、a が閉鎖されているものとする。
a に存する開口部の幅<W
a に存する開口部の上端の高さ< L に存する有効開口部の上端の高さ
a に存する開口部の下端の高さ> L に存する有効開口部の下端の高さ

(5)
煙の降下状況を確認する方法について
構造類型告示第4第2号(4)イ(ロ)及び同号(5)ロの煙が床面からの高さ1.8メートルまで降下しないことを確認する方法は、次の①から⑥までの手順によること。(図24参照)
廊下又は階段室等に面する住戸等の開口部のうち発熱速度が最も大きくなる開口部の発熱速度を第2 3(2)③の式により求めること。
・・・・・式(3)
廊下又は階段室等に面する住戸等の開口部のうち発熱速度が最も大きくなる開口部から噴出する熱気流量を次式により求めること。
・・・・・式(18)
mpは、廊下又は階段室等に面する住戸等の開口部のうち発熱速度が最も大きくなる開口部から噴出する熱気流量(単位 キログラム毎秒。以下同じ。)
廊下又は階段室等に面する住戸等の開口部のうち発熱速度が最も大きくなる開口部から廊下又は階段室等に噴出した熱気流の気体密度を次式により求めること。
・・・・・式(19)
Pcは、廊下又は階段室等に面する住戸等の開口部のうち発熱速度が最も大きくなる開口部から廊下又は階段室等に噴出した熱気流の気体密度(単位 キログラム毎立方メートル。以下同じ。)
Acは、構造類型告示第4第2号(4)イ(ロ)又は同号(5)ロの規定により、消火、避難その他の消防活動に支障になる高さまで煙が降下しないことを確認する範囲内にある廊下又は階段室等の水平投影面積(単位 平方メートル)
廊下又は階段室等における熱気流の発生量を次式により求めること。
・・・・・式(20)
Vは、廊下又は階段室等における熱気流の発生量(単位 立方メートル毎分)
廊下又は階段室等における排煙量を次式により求めること。
(ア) 廊下の場合
・・・・・式(21)
(イ) 階段室等の場合

・・・・・式(22)

Eは、廊下又は階段室等における排煙量(単位 立方メートル毎分)
Lは、廊下又は階段室等の有効開口部の長さ(単位 メートル。ただし、L≦30 。(6)参照。)
HUは、床面からの廊下又は階段室等の有効開口部の上端の高さ(単位 メートル)
HLは、床面からの廊下又は階段室等の有効開口部の下端(床面から1.8メートル未満の高さにあるものに限る。)の高さ(単位 メートル)
④で求めた廊下又は階段室等における熱気流の発生量が⑤で求めた廊下又は階段室等における排煙量以下であることを確かめること。

(6)
廊下又は階段室等の有効開口部の長さについて
(5)⑤中「廊下又は階段室等の有効開口部の長さ」とは、火源開口部(廊下又は階段室等に面する住戸等の開口部のうち発熱速度が最も大きくなる開 口部。以下同じ。)が面する廊下又は階段室等の直接外気に開放された開口部であって、当該火源開口部の両側に最大で30メートル以内の部分のことをいい、図25、図26及び図27の例によること。

第4 その他

特定共同住宅等のうち令第13条第1項の表の上欄に該当することとなる部分については、同表の下欄に掲げる水噴霧消火設備等のいずれかを設置するものであること。

第5 運用上の留意事項について

共同住宅等の関係者等から事前相談等が消防機関になされた場合には、次の事項に留意し、指導又は運用等を行われたいこと。

省令及び関係する告示に係る趣旨、内容等について、十分周知を図られたいこと。
二方向避難を確保するための避難器具が消防法令に基づき設置が義務づけられたものには該当しない場合もあるが、この場合、法令による消防用設備等に準じて取り扱われたいこと。

第6 運用期日等について

省令及び関係する告示は、平成19年4月1日から施行することとしているが、防火対象物の関係者等との事前協議等により、省令の規定を適用することができると判断された防火対象物については、令第32条の規定を適用し、同日前に運用することとしても差し支えないものであること。
また、消防法及び石油コンビナート等災害防止法の一部を改正する法律(平成16年法律第65号)の一部が平成18年6月1日に施行され、同日より住宅への住宅用防災機器の設置が義務付けられることから、「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例について」(平成7年10月5日付け消防予第220号。以下「特例通知」という。)による特例を認める場合であっても、省令第3条及び省令第4条に規定する共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備の設置を指導することが望ましい。
省令及び関係する告示の施行に伴い、特例通知並びに次に掲げる通知及び通知の部分を廃止し、これらに関する質疑応答に係る運用を行わないこととすること。ただし、特例通知並びに次に掲げる通知及び通知の部分を廃止した時において、特例通知が適用されている既存の共同住宅等であって、当該、特例通知並びに次に掲げる通知及び通知の部分による基準に適合しているものにあっては、なお従前の例によることを妨げないものであること。
(1)
「令8区画及び共住区画の構造並びに当該区画を貫通する配管等の取扱いについて」(平成7年3月31日付け消防予第53号)中、2 共住区画について
(2)
「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例の細目について」(平成8年7月17日付け消防予第145号)