社長メッセージ
期待の先をカタチに
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
能美防災は、永年にわたり、「防災事業のパイオニアとしての使命に徹し、社会の安全に貢献する」ことを社是とし、研究開発から設計、製造、販売、施工、メンテナンスまでの一貫体制のもと、災害から生命・財産を守るための最新・最適な防災システムを提供することに努めてまいりました。
そして常にリーディングカンパニーとして、国宝・重要文化財、超高層ビル、トンネル、プラント・工場、住宅、社会福祉施設など、私たちの暮らしに欠かすことのできない各種施設の安全の実現に取り組んでまいりました。
能美防災の防災事業は、さまざまな災害のなかでも特に火災の分野に焦点を定め、自動火災報知設備と消火設備を軸に製品を展開してまいりましたが、刻々と変化する社会において防災の形も常に進化を求められております。
少子高齢化、ライフスタイルの変化、建物・インフラの老朽化、都市や建物の進化など社会の発展とともに火災の対象・現象も変化し、防災に対する新たな課題が顕在化しております。
こうしたなか、能美防災は1世紀にわたり培ってきた技術力と豊富な実績のもと、グループの総合力で新たな課題の解決に臨んでおります。
さらに、防災に関する技術・ノウハウを活用しながら、新しい事業分野へも意欲的にチャレンジしております。
能美防災グループ は、「期待の先」にある安全を「カタチ」にし、誰もが笑顔で暮らせる社会の実現に向けて取り組んでまいります。
2025年3月期の業績と今後の見通しについて
2025年3月期の連結業績につきましては、原材料等のコストの上昇の影響などがあったものの、積極的な営業活動に努め、また時間外労働の上限規制の対応のために業務効率化や人員の増強等も進めた結果、受注高は139,640百万円(前年同期比13.1%増)、売上高は133,696百万円(前年同期比12.8%増)となりました。
利益につきましては、市場環境が堅調に推移したことに加え、原材料価格等が上昇する中で計画的な価格改定や業務効率化への取組みが奏功したことなどから売上原価率が改善し、営業利益は15,677百万円(前年同期比34.4%増)、経常利益は16,217百万円(前年同期比32.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,098百万円(前年同期比29.4%増)となりました。
今後の経済見通しとしましては、緩やかな景気回復の動きが続くことが期待される一方で、物価の上昇や米国の政策動向、金融資本市場の変動の影響などにより、不透明な状況が続くものと見込まれます。
当防災業界におきましても、需要は堅調に推移することが期待されますが、原材料価格や労務費などのコスト上昇に加え、時間外労働の上限規制の影響などが引き続き懸念される状況となっております。
このような状況のなか、当社グループは2028年度のありたい姿と、その実現に向けた施策を「中長期ビジョン2028 ~期待の先をカタチに~」として策定しており、2025年3月期までの3年間を「ステージⅡ」として各種施策に取り組んでまいりました。この結果を踏まえ、新たに2026年3月期から2029年3月期までの4年間を「ステージⅢ」として、ありたい姿の実現に向けた総仕上げに取り組んでまいります。「ステージⅢ」の最終年度となる2029年3月期に連結売上高を170,000百万円以上、営業利益率を12%以上、ROEを10%以上とすることを目指してまいります。「ステージⅢ」の初年度にあたる2026年3月期におきましては、堅調な需要に対して引き続き業務効率化や価格改定に取り組みながら、より高い付加価値を創造できる企業への変革に挑戦してまいります。
今後とも何とぞ格別のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。