2017年2月に埼玉県三芳町で発生した火災では、大規模な倉庫において、多数の防火シャッターが正常に作動せず、延焼が拡大し、その消火に長時間を要したことから、国土交通省においては、消防庁と共同で「埼玉県三芳町倉庫火災を踏まえた防火対策及び消防活動のあり方に関する検討会」を設置し、検討を行ってまいりました。 同検討会においてとりまとめられた報告書(2017年6月30日公表)の提言を踏まえて、大規模倉庫を対象として、感知器に係る電気配線の短絡によって、多数の防火シャッターが作動しなくなる状況が発生することを防ぐための対策に講じるため、所要の改正を行うこととしました。 規模の大きな倉庫においては、①可燃物量が極めて大きいこと、②防火区画として、固定の壁ではなく、随時閉鎖式の防火シャッターが用いられる場合が多いこと、③スプリンクラー設備が設置されていないことなどの状況が一般的に想定され、同様の現象が生じた場合、初期消火が困難となって火災の範囲が拡大するおそれがあることから、50,000m2以上の大規模倉庫について、火災情報信号を発信する感知器(いわゆるアナログ式感知器等)を設ける場合は、その電気配線について次の(1)又は(2)のいずれかの措置を講じなければならないこととします。ただし、スプリンクラー設備等の自動式の消火設備を設けた部分については、この限りではありません。(1)短絡を防止する措置 電気配線が感知器に接続する部分に、耐熱性を有する材料(耐火電線に用いるマイカ素材のテープ等)で被覆することその他の短絡を有効に防止する措置を講じること。〈電線の端子部分の耐熱性の強化〉加熱によるショートのおそれがある感知器の端子部分に、耐火テープを巻いて耐熱性を強化する。 なお、耐熱性を有する材料(耐火電線に用いるマイカ素材のテープ等)で被覆し保護を行う措置への対応については、予め心線にマイカ素材が施され耐火性能を持つ小勢力回路用耐火ケーブルの使用を推奨します。(参考製品:冨士電線(株)製 EM-JSH小勢力回路用耐火ケーブル)国土交通省では、消防庁と共同で「埼玉県三芳町倉庫火災を踏まえた防火対策及び消防活動のあり方に関する検討会」を設置し、対策等について検討を行い、2017年6月に報告書がとりまとめられました。同報告書の提言を踏まえ、大規模倉庫を対象として、感知器に係る電気配線の短絡によって、多数の防火シャッターが作動しなくなる状況が発生することを防ぐための対策を講じるため、防火設備の基準を見直す告示が公布され、新たな基準として2019年4月1日に施行されました。1. 改正の経緯2. 告示改正の概要み よしまち導線耐熱被覆露出ボックス天井材(ALC板)感知器※アナログ式感知器が対象(一般感知器は除く)外装被覆耐火テープ大規模倉庫の防火シャッターが火災時に確実に作動するよう基準が見直されました。〜 2017年 2月の大規模倉庫火災を踏まえた防火対策 〜442大規模倉庫火災に関する法令改正等資 料
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